予防医療担当獣医師、概要のご紹介

予防医療

予防医療のご紹介

伝染病ワクチン

犬や猫には多くの感染症が存在しており、それぞれの感染症により様々な症状を起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。
これらの感染症に対しては「混合ワクチン」を接種することで予防が可能です。

  1. 犬ジステンパー:発熱、消化器症状、神経症状などを引き起こし、致死率も高いです
  2. 犬伝染性肝炎:発熱、肝炎、角膜混濁、子犬での突然死があります
  3. 犬伝染性喉頭気管炎:数日~数週間続く咳、重症化すると肺炎になります
  4. 犬パラインフルエンザ:咳やくしゃみなどの症状、犬伝染性喉頭気管炎と混合感染でケンネルコフと呼ばれる犬のかぜ症候群を起こします
  5. 犬パルボウイルス:トマトジュース様の下痢や心筋炎による突然死があります
  6. 犬コロナウイルス:腸炎を引き起こし、パルボウイルスと混合感染で重症化します
  7. レプトスピラ感染症:いくつか種類があり、黄疸や出血などの症状が特徴で、野生動物やネズミの尿や土壌から感染するため外出の機会が多い犬は注意が必要です

①~⑥までの予防ワクチンが6種、①~⑦までの予防ワクチンが8種や9種になります。

バンガード®プラス 5/CV 犬用6種感染症予防ワクチン
バンガード®プラス5/CV-L 犬用8種感染症予防ワクチン

  1. 猫ウイルス性鼻気管炎:くしゃみ、咳、鼻炎、結膜炎などの症状を引き起こします
  2. 猫カリシウイルス:くしゃみ、鼻水、発熱、口腔内潰瘍などの症状を引き起こします
  3. 猫汎白血球減少症:白血球が極端に少なくなる病気で、発熱、嘔吐、消化器症状があります
  4. クラミジア病:くしゃみ、鼻水、咳、結膜炎を引き起こし、肺炎になることもあります
  5. 猫白血病ウイルス:猫同士の接触や食器の共有で感染し、リンパ腫・貧血・流産などを引き起こします

①~③までの予防ワクチンが3種、①~⑤までの予防ワクチンが5種になります。

0歳の時には犬は3回(2.3.4ヶ月齢)、猫は2回(2.3ヶ月齢)接種が必要です。
1歳以上の犬猫は1年に1回の接種が必要となります。
またワクチンの副作用としてアナフィラキシーショック(血圧の急な低下、呼吸困難など)やムーンフェイス(顔がパンパンになる)、嘔吐下痢などがあるためワクチンの副作用が出やすい子はワクチン接種前にステロイドを注射して症状を和らげます。

ピュアバックスRCPCh-FeLV(猫用5種混合ワクチン)
ピュアバックスRCP(猫用3種混合ワクチン)

狂犬病ワクチン

狂犬病予防法により、犬の飼い主様には年1回の接種が法律で義務付けられています。狂犬病は現在日本や一部の国での発生はありませんが、世界中で流行している全ての哺乳類に感染する人獣共通感染症です。

発症した場合は重篤な神経症状を示し、ほぼ100%死亡するともいわれています。

狂犬病予防注射を接種していない犬が人を噛んで飼い主が書類送検されている事例もあるため必ず毎年接種をしましょう。

ノミ、ダニ予防

 ノミは室内外問わず生息しており皮膚の痒みの原因となるだけでなく、瓜実条虫や猫ひっかき病などの感染症も運んできます。ダニは草むらなどに潜んでおり、貧血や皮膚炎だけでなくSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの危険な感染症を運んできます。ノミ、ダニが運んでくる感染症は人獣共通感染症(動物から人、人から動物にうつる病気)も含まれており、室内飼いの犬猫でも年中の予防が推奨されています。ノミ、ダニ予防薬はおやつタイプやスポットタイプがあります。

ネクスガード
フロントライン

フィラリア予防

フィラリア

フィラリア

フィラリア

フィラリア

フィラリアは蚊によって犬の体内に侵入して全身を巡り、成虫は動物の肺や心臓の血管に寄生し、成虫から生まれた子虫は全身の末梢血管に寄生します。

フィラリア感染症は血液の循環不全を引き起こし、最悪死に至ることもある大変危険な感染症ですが、毎月の投薬で予防できるので、蚊が飛んでいる時期は確実に予防しましょう。当院ではフィラリア予防薬として錠剤タイプやおやつタイプがあります。フィラリア・ノミ・ダニを一緒に予防できるオールインワンタイプのものも取り揃えています。犬の血液中にミクロフィラリア(フィラリアの子虫)が寄生していないか採血をして確認後(下画像の赤丸)、予防薬を処方しています。

成虫が心臓に寄生していると超音波検査では虫体はイコール(=)サインとよばれる特徴的な見え方をします(下画像のオレンジ丸)。

また猫にもフィラリア感染症はあり、犬と比較して感染は稀ですが猫にとっても死に至る可能性のある感染症です。オールインワンタイプのスポットタイプの予防薬があります。

ネクスガード
イベルメック
ミルベガード
ブロードライン
レボリューション

ページトップ